2019年10月

2019年10月30日

ピックアップ交換。でもその前に。

ギターやベースのカスタムで多いのはやはりピックアップ交換です。
手っ取り早く効果を感じられますので依頼はとても多いですね。ミニ四駆やラジコンのモーター交換の感覚でしょうか。
コレ ノセテ!(。・∀・)っ■⊂(・ε・。)オマカセアレ
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作業としては「それまでのピックアップを外す。新しいピックアップを取り付ける。」とこれだけの事ですがそれが非常に困難なケースが稀にあります。

今回ご依頼いただいたギターがまさにそのパターン。ほぼすべてのネジがひどく錆び付いていて回す事が出来ません。ピックアップの配線までたどり着けないのです。

ネジの溝が完全に錆で埋まっていてドライバーが挿せなかったり、運よく溝が残っていても途中で折れてしまったりでそのまま抜けたネジは数本でした。仕方が無いので途中からネジの頭をドリルで飛ばす作戦に切り替えました。

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ひとまず半分。今回はリヤに乗ってるEMGの81をパッシブに交換します。
(ピックガードがセンター2ピースで1弦側の元の色が白なので昔のアリアプロⅡのXXマイケルシェンカーモデルではないかと推測します)

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中に残ったネジはエキストラクターで抜き取ります。(ちなみにその下に見えるのが錆びてるネジの頭)

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反対側も何とか外せました。

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エスカッションは割って外すとお伝えしておりましたのでこんな姿に。
アラッポイネ (;・∀・)(´ε `; ) シャーナイ

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どうにかこうにかすべてのネジが除去できました。(ほぼ丸一日かかりました…)
('、3_ヽ) ツカレタ~

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ネジ穴は一旦すべて埋めてしまいます。いつものウォルナット材をタイトボンドで接着します。(こっちがわのボディの色が白だからさっきの推測はほぼ正しいのでは?)

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接着剤が乾いたら余分を落とします。まずは一段落です。(続く)


littlestone5014 at 14:06|PermalinkComments(0)

2019年10月25日

中古品整備。

主な仕事は修理ですが中古の販売もしています。
そしてその中古品をお店に並べる前の整備、調整も大事な仕事です。
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今日はそんな中古ギターの整備の様子です。ちょっと珍しい2ハムのストラトが入荷しました。

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トーカイ(東海楽器製造)のストラトですね。今から30年以上前(もっと前?)の物と思われます。
東海楽器は当時フェンダーのコピーモデルを海外にたくさん輸出していましたがそのクオリティが高く、焦ったフェンダーからクレームが入ったというのは有名な話です。(その後フェンダージャパンを手掛ける事になったのも有名な話)

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さすがに金属パーツは錆やくすみがあります。可能な限りキレイにクリーニングします。
((◝(•̀ㅂ•́)◟))キレイニスルヨ!

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ひとまず分解。ネックとボディが分離できるというのは作業する側からすると本当にありがたい構造です。

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分解したついでにネジ穴をすべて面取りします。

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電装系は特に問題ないのでこのまま使います。ポットにはケイグのD5を少量吹き込んでおきます。
PUセレクターは3ウェイでマスターボリューム、フロントトーン、リヤトーンという配線になっています。

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金属パーツは前回のプレベの時と同じようにクエン酸に浸して洗浄します。今回はエイジド感を残す必要はありませんのでこのあとピカピカに磨きます。

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クエン酸での洗浄のあとバフで磨き上げたのがこちら。う~む眩しいほどの輝きです。
( ✧Д✧)ピカーン!

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ペグはこんな感じ。塗装も研磨剤入りのポリッシュで磨き上げて一皮剥いています。

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ヘッド裏側。

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この時期の国産にしては塗装が非常に薄いですね。アクリル系ラッカーの薄吹き仕上げと思います。センの木目が浮かび上がっています。(アッシュではないと思う)

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SITの10~46を張ってセットアップしています。弦高は12F上で6弦=2,0ミリ。1弦=1,5ミリです。
傷はそれなりにありますが演奏にはまったく支障ありません。15000円(税抜)で店頭に置いていますのでご興味ありましたら試奏してみてください。


littlestone5014 at 20:12|PermalinkComments(0)

2019年10月16日

プレベ電装パーツ交換。

早いもので前職場を退職して一年が経過しました。
その一ヵ月後に今のブログを立ち上げてそのまま(勢いで)開業したのですが、この一年の時間の経過は恐ろしく早かったですね。個人的にはまだ三ヶ月くらいしか経っていないように感じます。
ハヤイモンダネ( ノ´͈ ω`͈)ノ (╹ω╹灬)アットイウマ
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↑そろそろ年末の事も考えながらブログも更新します。
先日からのプレベは電装系パーツの交換もご依頼いただきました。とりあえず音は出るのですがかなり年数が経過しているのでポット二つとジャック、それと配線材を新しい物に交換します。

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作業後がこちら。
シンプルな1ボリューム1トーンなので何の変哲もないごくごくオーソドックスなプレベ配線です。
コンデンサーは問題なかったのでそのままですが取り回しを一般的なフェンダー式に変更してます。配線材はソニックのフックアップワイヤーHW-01を使いました。(ハンダは定番ケスター44)

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フィンガーレストの追加もご依頼いただきました。ここに付けると何となくビンテージっぽいですね。

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ブリッジもペグの時と同様にクリーニングしました。
こちらも全体の雰囲気に合う丁度いい具合になりました。

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ちなみにこちらが作業前です。これはこれで味わいがありますけどね。

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腐食が激しかったピックガードのネジとノブはお客さんとの協議の結果新しい物に交換する事になりました。毎日触っていればすぐに周りのパーツと馴染むと思います。

分かりにくいのですがピックアップのポールピースの錆もわざとらしくならない程度に落としています。古いけれどキチンと手入れされている感じには仕上がったのではないかと。コンディションも上々なのでこれからも大事に使ってくだされば何よりです。



littlestone5014 at 19:54|PermalinkComments(2)

2019年10月11日

クエン酸でお掃除。

ちょっと忙しくなるとすぐブログの更新が遅れてしまいますね。自営は何でもかんでも自分でやらないといけないのでついつい後回しになってしまいます。
_(:3 」∠ )_ボチボチヤルカ
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↑さてこちらは先日のペグのクリーニング前の状態。
かなり劣化が進んでいて手で触っても表面がザラザラです。「レリック仕様のパーツです!」と言って誤魔化すには少々無理があります。
レリックパーツ!( ๑•̀д•́๑)و  (ーヘー;) キタナイダケダロ

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ヘッドの中に埋まってた部分は綺麗ですね。
バフとコンパウンドで磨けば光らせる事は可能ですが今回は程よいエイジド感を残します。

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こんな時はクエン酸ですね。100均で売ってるので十分です。これをコンビニコーヒーの容器にサジ2杯入れます。

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水で溶かしてドボーン。

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一晩経過したのがこちら。水の色が変わってますね。
ちなみに黒染めのネジとかは色が抜ける時がありますので注意。(染めてなくてメッキなら大丈夫)

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しっかり(しつこい位に)水ですすいで乾かします。錆び止めのオイルも少量吹いておきます。 

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乾拭きして元通り組み立てて再装着。
新品の輝きも良いですが塗装の経年変化に合わせた風合いも良いものです。

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全体の雰囲気を崩さない丁度良い仕上がりになったかと思います。
放置されていた金属パーツと、使い込まれた金属パーツの違いは再現できたような気がします。(続く)


littlestone5014 at 19:15|PermalinkComments(0)

2019年10月05日

パーツクリーニング。

ローズウッドの規制が緩和されましたが楽器用の木材を取り巻く状況は依然厳しく、良質な木材は本当に少なくなってきました。そんな事もあってかここ数年、古い国産が使われている材木の良さで再評価されています。
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↑今回はそんなフェンダージャパンのプレベです。

プレベと呼ばれる事が多いのですが正式にはプレシジョンベースですね。プレシジョンとは「正確な」という意味なのは皆さんよくご存知かと思います。フレットを打つ事によって正確な音程が誰でも取れるという事でこの名が付けられました。(プレベ以前はウッドベースしかなかったのでフレットが打ってあるベースは存在しなかった…と思う)

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もう30年くらい前の物でしょうか。塗装の焼けやヒケ具合がちょうどいいビンテージ感を醸し出しております。

(どうでもいい話:プレシジョンとは「正確」ではなく「正確な」という意味。専門学校のテストでは引っ掛け問題として出題されました。)
【≡≡】((\_(*・ω・)マチガウナヨ! (・・ )・・ )・・ )フムフム…

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ずいぶん長期間放置されていたようでメッキがかなりくすんでいます。

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ブリッジも同様。今回はこれらのパーツのクリーニングのご依頼をいただきました。

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ペグを一旦ヘッドから外します。

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表のブッシュも抜きます。
こういう表側が大きく裏側の方が小さい2段穴は抜くのがちょっと大変です。

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さらに分解。
他のペグの部品と混ざらないようにしておきます。
コレガ イチゲン((φ(..。三。..)_□□□))コレガ ニゲン

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今回は塗装の焼け具合や傷とマッチするように「綺麗にし過ぎないクリーニング」を施します。金属パーツだけ妙にピカピカというのは見た目のバランスがよろしくありません。(続く)


littlestone5014 at 19:23|PermalinkComments(0)