2020年06月

2020年06月28日

テレキャス カスタマイズ編・その9

長らく続きましたテレキャスターカスタマイズ編ですがいよいよ完成編。仕上げに入ります。
…φ(:3」∠)_ ナガカッタネ
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実はナット交換もご依頼いただきました。無漂白の牛骨で制作します。(毎度の目盛り付きマスキングテープの出番)

※2022年12月17日追記・現在はスチュアートマックの専用ゲージを使用しています。

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漂白した真っ白な牛骨も良いのですが無漂白の飴色も良い風合いです。

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弦はSITのパワーワウンド1046です。テンションピン(ストリングガイド)は使いませんので元のネジ穴は埋めておきました。

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5弦と6弦はポストが高いので巻き数でテンション調整ができるように(ナットからポストへの進入角度が調整できるように)長く残していましたがお引き渡し時のチェックでOKが出ましたのでこの後カットしました。

※ここで言ってるテンションとは弦がナットを押し付けている圧力の事で張力とはまた別の意味のテンションです。弦のゲージやチューニングが同じであるならテンションピンが有っても無くても、ポストへの弦の巻き数を減らしても増やしても、弦自体のテンション(張力)は変化しません。

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ネックの反りと弦高を調整したのちにオクターブチューニングも調整します。5弦と6弦は7フレットハーモニクスで合わせてもいいですね。

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ピックアップの高さも調整します。
ピックアップを固定していたのが金属の板からプラスチックの板に変わったのでアンプからの出音も結構変わって聞こえます。

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前後の音量バランスも大事ですがリヤはセオリー通りに調整すると高域が耳に痛く感じる事も多いのでやや低めにしておきます。(あとは実際に弾いてもらってから微調整)

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そんなこんなで完成!お待たせしました。
٩(ˊᗜˋ*)وデキター!

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元々はこうだったのが…

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こうなりました。唯一無二のオリジナルテレキャスターの完成です!
ご依頼ありがとうございました。
 (*ᴗˬᴗ)⁾⁾


littlestone5014 at 12:42|PermalinkComments(2)

2020年06月20日

テレキャス カスタマイズ編・その8

先日からのテレキャスは電装回りも終わったので今度はペグの交換です。お客さんお持ち込みのフェンダー純正のロックペグに交換します。
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右がそれまでのペグで左が新しく取り付けるロックペグです。両方とも良く似た形状ですのでそのままポン付け出来そうです。

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しかしそう簡単には行きません。
回り止めのピンの位置が合わないのでそのままでは取り付け出来ませんでした。まぁよくある話です。
ザンネン (。・x・) (・ω・´ ) イツモノコト

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ひとまずそれまでの穴をすべて埋めてしまいます。

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ノミで余分をカットしたら…

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センターラインを引いて新しく穴を開けます。
位置を測定するとピン一個分です。穴の位置がズレるとまっすぐ付けられないので精度が要求されます。

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はい出来ました。
↓なんとなくこの顔がたくさん並んでいるように見えますね。
(:o:)
(:o:)
(:o:)
(:o:)

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取り付け穴が開いてしまえばあとは簡単です。ロックペグは見た目がゴツくてカッコいいですね。

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ポストは高さが異なるスタッガードタイプです。
低いポストは1~4弦に、高いポストは5~6弦に使用します。今回はテンションピンを使わない予定です。(まだ続く。次で完成かな?)

littlestone5014 at 20:50|PermalinkComments(0)

2020年06月13日

テレキャス カスタマイズ編・その7

北九州は梅雨入りしたようです。木材で出来ているギターにとっては憂鬱な季節ですね。雨が降るとお客さんもほとんど来ませんので作業に集中です。
、ヽ`、ヽ`个o(・_・。)`ヽ、`ヽ、シトシト…
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さて前回ピックガードが出来あがったテレキャスは取り付け用の穴を開けていきます。

フロントピックアップは今まで通りボディ直付けですが新しいピックガードに合わせて取り付け位置を若干修正しています。画像からは全く伝わらないと思いますがこの位置決めが地味に手間の掛かる所です。

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ネジ穴はしっかり面取りしておきます。

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ピックアップとコントロール部分にノイズシールドの為のアルミテープを貼っておきます。

アルミテープはどんな物でも構いませんが表面に保護用のポリエステルなどがラミネートされていない物の方がギターのノイズシールドには都合がいいです。(アースに落としやすい)
ドコノテープ? ( ・∀・)σ  (´ω`) ダ〇ソー

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ポットはESPのボーンズに、コンデンサーはオレンジドロップに交換しました。セレクタースイッチはそれまでの物を流用しています。

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配線完了。ピックアップは以前当店で購入していただいた中古のセイモアダンカンのSTR-1とSTL-1です。

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さてピックアップ部分のアルミテープをどうやってアースに落とすかが問題。

方法はいくつかありますがピックアップのスプリングを取り付けネジに触れさせてピックアップのベースプレートに導通させるのが簡単です。

しかしネジの外径に対してスプリングの内径が大きいのでしっかり導通させられるか不安が残ります。そこで今回はスプリングの先をカットして先端を少し伸ばして…

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その先端がピックアップのベースプレートに接するようにしておけばここからダイレクトにアースへ落とせます。

3本ともこの加工を施していますので2枚継ぎ合わせたアルミテープもそれぞれアースに落とせます。

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テスターでジャックのグランド側まで通電しているか確認します。シールドはアースに落ちていないとまったく意味がありません。

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ペグの交換もご依頼いただきました。次回はペグ交換編です。(続く)

littlestone5014 at 20:12|PermalinkComments(0)

2020年06月07日

テレキャス カスタマイズ編・その6

さてさて前回からのピックガードですが次は各パーツの取り付け穴を開けていきます。ここを失敗するとこれまでの苦労はすべて水の泡になってしまうので慎重に位置を決めていきます。
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コントロール部分のザグりはそのまま使いますのでポットやセレクタースイッチは今まで通りの配置となります。

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型にしたプラ板を乗せて穴開け位置を探ります。通常テレキャスは前からセレクタースイッチ、ボリューム、トーンです。

稀に前後をひっくり返して手前からボリューム、トーン、セレクタースイッチという配置になっている物もありますがこれがごく一般的なテレキャスのコントロールです。

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テレキャス使いには共感していただけると思いますがセレクタースイッチをリヤ側に切り替えてる時はボリュームノブとの隙間が狭くて指を入れにくいのが困りもの。ここから瞬時にフロント側へ切り替えるのは慣れないと難しく感じます。

テレキャス アルアル (*゚∀゚)ノ)) (ノ∇≦*) アルアル!

これを嫌ってセレクタースイッチのノブを小さい物に変更したり、レバーその物を手前か奥へ曲げている方も多いのではないでしょうか。

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そこで今回ボリュームを少し後ろに下げてみては…とご提案させていただきました。やはりこの部分にはお困りだったご様子です。

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という事で穴開け作業に入ります。ひとまずセレクタースイッチのレバー部分が通る所に一個所ピンバイスで1mmの穴を開けます。

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同様にトーンポットの通る部分にも1mmの穴を開けます。

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ひっくり返してこの2点を結びます。この直線状にセレクタースイッチとポットを配置します。

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ひっくり返した状態で(つまり裏側から)セレクタースイッチのレバーが通るスリットをトリマーで貫通させます。

裏側からやってるのは万が一トリマーを入れる場所がずれても修正できるのと(よく見ると修正跡が…)トリマービットの摩擦熱で若干ですがピックガードが溶けますのでそれが表から見えにくいようにです。

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こちらが表側。上手く出来ました。

ワンオフのピックガード制作はどこか一ヶ所間違うとその瞬間ゴミになってしまう事が多いので意外に神経を擦り減らす仕事です。

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その他のネジ穴も開けてピックガードは完成です。次回からはいよいよ組み込みです。(まだ続く)

littlestone5014 at 20:47|PermalinkComments(0)

2020年06月03日

テレキャス カスタマイズ編・その5

なかなか長期戦になっていますテレキャスのカスタマイズ編。まだしばらく続きますのでのんびりとお付き合いくだされば幸いであります。
(┐「ε:)_三┌(.ω.)┐三_(:3 」∠)_ ゴロゴロシナガラミテネ…
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前回から見た目にあまり変化が感じられませんがひとまず外周を下書きの仕上げ線まで削り込みました。ここから淵を斜めに落として真ん中に挟まれている黒のラインを出します。

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地道にスクレーパーでショリショリします。

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作った事がある人ならお分かりかと思いますがこういう端っこの尖った所はシャープなラインを出すのが難しいのです。
ムズカシー...φ(-△-;) ۹(ÒہÓ )۶ガンバレー!

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スクレーパーでざっくり削ったらペーパーで整えます。
京商の曲線バサミのオマケで付いてたサンダーホルダーが直線、曲線両方に対応できて重宝しています。(※今現在流通している物には付いていないようです。)

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3層のラインが出てくると更にピックガードらしくなってきます。
 
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ピックガードが一段落した所でボディ側の配線が通る部分をザグります。

トリマーに掛かる負担を減らすのと作業時に出る木屑を最小限に抑えるために予めドリルで穴を開けておきます。

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アクリル定規をテンプレート代わりにしてサクっとザグります。

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淵は非常に鋭利で危険ですのでスクレーパーでしっかり面取りしておきます。(大げさでなく本当に指が切れます)

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リヤピックアップからコントロール部分までも同様にザグります。導電塗料も塗ってそれぞれのザグりをしっかり導通させておきます。(続く)

littlestone5014 at 20:10|PermalinkComments(0)