2019年07月

2019年07月29日

回り切っても諦めない。

リペアに出したいけど結局そのまま何年も経ってしまったという話はよく耳にします。
ものすごくお金が掛かりそうとか、リペアショップは何となく怖くて持っていきづらいなどが理由のようです。そんな中クチコミやネットの情報で当店の存在を知り、大事なギターを任せてくださる方もいらっしゃいます。
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↑さてさて今日のブログはそんなギブソンのレスポールカスタムです。
もう30年以上前の物なので白がいい具合にクリーム色になっていてランディ・ローズが頭に浮かびますね。(ね!)
プロレスラー?(꒪˙꒳˙)ノ (-ω'- )チガウ!

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ご依頼は多岐に渡るのですがまずはフレットを打ち替え、それと併せてナットも交換します。

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ブリッジもかなり腐食しているのでこちらも交換。テールピースはお客さんがご自身で交換されています。

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配線の一部にやや危険な所(音が出なくなるかも知れない所)があるので配線も引き直します。

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フロントのエスカッションが浮いている部分がありますのでこちらも修正します。

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ネックの順反りも修正しないといけないのですがトラスロッドがほぼ回り切っています。
まずはこちらを何とかしないといけません。(便宜上「トラスロッドが~」と言ってますが正しくは「トラスロッドのアジャストナットが~」です。トラスロッド自体は回りません)

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トラスロッドが回り切ってしまうとこの世の終わりのように絶望してしまう方も多いのですがコレで何とかなる事もあります。(続く)

littlestone5014 at 19:29|PermalinkComments(0)

2019年07月24日

らくちん弦交換。

さて前回マーキングしたグレッチの台座ですが実際に穴開け作業に入ります。
(๑و• Δ• ) و ヤルゾー!
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↑形状的にボール盤が使いにくいのでピンバイスで開けます。ボディ側に打ってるイモネジが3,0ミリなのでドリルの径は3,2ミリです。当たり前ですが貫通させないようにね。

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軽く面取りしておきます。これで大丈夫かな。

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と思ったら6弦側のオクターブ調整範囲の余裕が少なかったので一旦埋めて少しだけ前に出るように開け直します。

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イモネジを2ミリほど表面から出します。これが台座の横ずれを防いでくれます。

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弦を張ります。おぉ!これは楽チンです!ストレスゼロ!
‹‹\(´ω` )/››‹‹\( ´)/›› ‹‹\( ´ω`)/›› メッチャ カンタン!

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台座とボディのフィッティングはこんな感じ。ほぼ密着と言っていいと思います。

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弦はこんな感じで通ってます。

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パッと見ただけではノーマルとの違いに気付かないかもですね。
見た目を大きく変えないというのは大事です。

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弦高とオクターブ調整を行います。台座を少し前に出したのでその分サドルを後方へ移動できます。
あんまりギリギリだと細いゲージに変えた時に調整し切れないかも知れません。(気付くのが遅い)

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苦労の末に何とか完成しました。
これまで弦交換が億劫なのが理由であまり使われなかったそうですがこれからは活躍してくれそうです。


littlestone5014 at 19:16|PermalinkComments(0)

2019年07月19日

ブリッジの位置決め。

北九州は昨夜避難勧告レベルの雨が降ってましたが幸い被害もなく今日も通常運転です。
梅雨明けはまだですかね。
|:il|!i;i|!!;: (ι゜Д゚;)メッチャ フッテル! :il:il|;l|;i
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↑さてさて先日からのグレッチですが台座の加工も終わったので次は新しいブリッジのサドルに弦の溝を切ります。

今回は幸いサドルの真ん中にガイドとなる溝があるのでこれを弦の太さに合わせて拡げていきます。精神的にはかなり楽ですね。(でもうっかりメッキに傷を付けないようにマスキングテープで養生しておきます)

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だけど深さの加減は難しいですね。浅すぎは演奏中に弦が外れたりしますが深すぎも弦の鳴りを妨げます。

今回のビグスビーはテンションバーが付いていないタイプなのでいつもより気持ち深めにしてます。(サドルへのテンションが弱いから)

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ひとまずブリッジを乗せて1弦と6弦を仮に張ってみます。これで左右、前後方向の位置を割り出します。

左右はフレットから弦が落ちずピックアップのポールピースを外さない所、前後はサドルがオクターブ調整が可能な範囲に収まるかを確認します。

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決まったらマーキングします。

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反対側も同様に。

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一旦降ろして外しておいたイモネジを入れます。ボディ表面よりほんのちょっと出るくらいですね。

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台座の裏側にマスキングテープを貼って…

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ぐいっと押し付けます。マーキングした所からずれないように慎重に。

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そうすると跡が付くので(ちょっと見えにくいけど)ここに固定用の穴を開けます。
元々開いている穴は位置が全然違うので使えないのです。(続く)


littlestone5014 at 19:42|PermalinkComments(0)

2019年07月15日

木製台座の面出し。

前回どうにかこうにか穴を開けたビグスビー。一番大変な所はクリアしたので次の作業に移ります。
アイタネ_( _´・ω・)_ _(´ω `_  )_ナントカネ
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↑次は穴の淵を面取りします。これをしておかないと弦が簡単に切れてしまいます。

本体に付けたままだと1弦と6弦の穴の加工が難しいので外して作業します。このシャフトはトレモロアームを固定しているイモネジを緩めれば簡単に外せます。

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作業が済んだらまた元に戻します。
こっちが弦が出る側ですね。弦が通る必要最低限の径に留めています。

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こっちが入れる側。弦の根元の太い部分が通せるように出る側より穴の径を大きくしてます。
穴がきれいに一直線上に並んだら良かったのですがこれが限界でした。(元々ピンがいびつに並んでたのもあるけど…)
(人ω<`;)スンマセン

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次は新しく交換するブリッジ台座の加工です。
そのままですとごらんのようにボディのアーチに沿っていないので台座の底面を削ります。

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まずは180番のペーパーを両面テープ(弱粘着タイプ)でボディに貼り付けまして…

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この上でゆっくり台座を前後させて研磨します。船を漕がないように押す方へだけ力を入れます。

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底面がすべて接触するまで削ります。
ボディトップはわずかに三次元曲面になっているので完全に密着させるのはなかなか難しいです。

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この加工を施すと反対向きに取り付けられないので向きを示すシールを貼っておきます。(続く)


littlestone5014 at 22:50|PermalinkComments(0)

2019年07月10日

元には戻せない。進むのみ。

リペアの神様は横着させてくれません。怠け心が頭をもたげてくると思わぬ試練を与えてきます。
ゴルァ!ヽ(#`Д´)ノ┌┛))゚д゚)ノ アウッ!
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↑それがこちら。
今回ビグスビーの弦を引っ掛けるピンを抜いて反対側へ貫通する穴を開けてほしいとのご依頼です。その穴に弦を通せば弦交換時に弦が落ちる心配も無用という訳ですね。

「ビグスビー改造」で検索しますと自力で穴を開けている動画がある事をお客さんから教えてもらいました。見てみるとやはりなかなか大変そうです。う~ん、どうしよ。
(その動画は↓こちら)
https://youtu.be/lNIlm9bbLAg

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試しに1本抜いてみて穴が開けられそうか確認します。
無理そうならまたピンをそっと元に戻せばいいかと考えていたんですよ。

そしたらね。いきなり折れてしまいましたよ。実にあっさりと…

はい!もう後戻りできません!/( ̄0 ̄;)\ !!!!


こうなったら何がなんでもやり遂げなければいけません。
サイゴマデ ヤレヨ(o ̄ω ̄)ノ)) (。。*)ハイ…

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きれいに抜けたのは6本中2本。あとは中に残ってしまいました。

ちなみにカラハムからそれ用のシャフトが発売されています。
(↓詳しくは下記をクリック)

これに交換するのが手っ取り早いんですが残念ながらゴールドが無いんです。

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仕方ないので残ったピンごと穴を開ける事になった訳ですがうちの非力な小型ボール盤ではとにかく穴が開きません。

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途中でドリルをステンレス用に替えて地道に切削していきます。
ボール盤の回転は一番遅くして、切削油を差しながらゆっくりゆっくり。

しかしまぁこのピンの硬い事硬い事。なかなかドリルが進みません。(弦を支えてるんだから柔らかい訳がない)
_(꒪ཀ꒪」∠)_カテエヨ…

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どうにかこうにか貫通。
ピンを通過したら後はけっこう楽でした。やれば出来るもんだな。(続く)


littlestone5014 at 19:01|PermalinkComments(0)