2020年11月

2020年11月29日

バーニー レスポールモデル レストア編・その2

お店はプレオープンから数えると昨日で2周年を迎えました。
当初はどうなるかと思っていましたが皆様の暖かいご支援のおかげであります。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
アリガトウ(•ᵕᴗᵕ•(*ᴗˬᴗ)⁾⁾ゴザイマス
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さて今日から3年目に突入。気持ちも新たにブログの更新です。

先日バーニーのレスポールから降ろしたピックアップがこちら。フロントにダンカンのJB、リヤにディマジオのPAF Proが搭載されていましたがJBとPAF Proですと出力差が大きすぎるのでフロントとリヤを入れ替えます。

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それまでリヤに搭載されていたPAF Proはフロントに持っていくとリード線の長さが足りませんので延長します。元々は4芯シールド線ですが今回コイルタップ等は使いませんので1芯シールド線で延長します。

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赤白が延長されるホットで黒白はタップ線です。元々のシールド線と延長するシールド線を撚り合わせてハンダ付けします。
ピンボケ! (`゚д゚)σ)`A゚)。ゴメン

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まとめて太めのヒシチューブで絶縁しておきます。

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次はトグルスイッチに接点グリスを塗っておきます。ここで使っているのはタミヤの接点グリスです。元々はRCカーの機械式スピードコントローラーの接点に使うものですがギターのスイッチにも大活躍です。

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ここにごく少量塗布します。
接点が汚れていくのを防いでくれるので接触不良が起こりにくくなります。(※ピックアップの切り替えスイッチに接点復活剤はおすすめしていません)

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組み込んでいきます。このJBは表にロゴも無いので80年代の物でしょうか?ロゴはいつ頃から入れられるようになったか記憶が定かではないのですが90年の終わり頃にはもうロゴが入っていたような気が…

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ポットへ各配線を繋いでいきます。レスポールは配線作業が難しいので出来るだけ外でハンダ付けしてから組み込んでいきます。
((φ(・ω・。il) コガサナイヨウニ…

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ジャックはスイッチクラフトの定番#11モノラルジャックへ交換します。ジャックプレートも経年劣化で割れていたので併せて新品に交換です。

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ジャックへ向かうシールド線には絶縁用のチューブを被せておきます。これが何かの拍子でピックアップの信号が流れている所に触れると音が出なくなったりします。

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フロントトーンの上側にグルっと回して配線終了。前回シャフトが抜けたポットも交換しました。

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ポールピースの錆は落とせるだけ落としてボビンも磨いて電装系は終わりです。次はハードウェア(金属パーツ)に取り掛かります。(続く)


littlestone5014 at 19:13|PermalinkComments(2)

2020年11月24日

バーニー レスポールモデル レストア編・その1

また久々のブログになりました。何だか毎日忙しくて気付くと一日あっという間に終わってます。今年もあと一ヶ月ちょっとですか…早いですね…
リペア…( ̄∇ ̄||))...((|| ̄∇ ̄)メールノヘンジ…
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そんなこんなで今日のブログはこちらのレスポールです。

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バーニーのレスポールです。

正確にはレスポールではなくスーパーグレードですが便宜上そう呼びます。ヘッドにLes PaulではなくてSuper Gradeと書いてますがGはかなり強引な書体ですね…
d( ゚ε゚;)オコラレルカラネ

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ご依頼はオーバーホールと古い部品の交換です。

ペグを始めとしてブリッジやテールピースなどのハードウェアも新品に交換します。ネックは折れた形跡がありますが綺麗に修繕されています。

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ピックアップはダンカンとディマジオに交換されています。

かなり長期間放置されていたみたいでネジもあちこち錆びています。今回は錆びたネジ類もすべて新品交換のご依頼を頂きました。エスカッションなどまだ使えそうな部品はクリーニングして再利用します。

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ジャックは接触が怪しかったので交換の予定です。ついでなので配線もキレイに引き直します。

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とりあえず分解していこうとノブを引っ張ったらいきなりフロントのボリュームポットのシャフトが抜けました…ノブがきつくはめ込まれているとこうなる事がたまにありますね。急遽こちらも交換します。(これは当方の不注意なので料金に加算しません)

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どんどん外していきます。職人としては手が遅い方ですが分解するスピードだけは早いです。(笑)
カチャカチャ…□(((φ (・ω・*)ノ))⌒□□□ポイポイ

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すべて外してドンガラです。魚を捌く様子にも見える事からこの作業を「ワタを抜く」と呼ぶ人もいますね。(続く)


littlestone5014 at 18:29|PermalinkComments(0)

2020年11月07日

アストリアス ピックアップ取り付け編・その2。

前回エンドピンジャックを取り付けたアストリアスはいよいよピックアップ本体の取り付けです。今回のようなコンタクトタイプのピックアップは取り付ける場所で音が激変しますのでスイートスポットを探ります。
σ( ̄、 ̄=) ドコニ シヨウカナ
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取り付けは付属のパテで貼り付けます。

なんとも心もとない感じですがこれが非常に粘着性が強くて少々の事では剥がれません。それでいて貼り直しも簡単という都合のよい素材です。あとで取付位置を変えたくなったり、他の楽器に使いたくなった時でもすぐ取り外せます。

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パテを適量取ったら(付属のパテはかなり多めに入ってます)指で捏ねて柔らかくしてから塗り伸ばします。出来るだけ凸凹が無いように均一に伸ばしておくのがポイントです。

説明書にはパテの適切な厚みは1,0~1,5mmくらいと推奨されています。結構な厚みなのでもっと薄く塗った方が振動がより伝わりそうですが薄すぎは却って振動が伝わりません。

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貼り付ける場所はギターによって変わりますがXブレーシングの周辺が良いみたいです。まずはメーカー推奨のXブレーシングの1弦側に貼り付けてテストしてみました。

ふむふむパッシブの割りにはなかなかはっきりした音です。低音弦の響きが少し弱く感じますがアンプのEQで十分補正できそうです。

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次にブリッジ後方。ここもおすすめとの事です。

お!さっきよりバランスよく響くようになりました。低音弦側もしっかり出力されていますのでここでも良さそうです。ほんのちょっぴり遠くで鳴ってるような感じですがそういう音が好きな方はここも良いかも知れません。(※他のギターではまた結果も変わると思います)

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次に6弦側。さてさて・・・・

おぉ!ここが一番はっきり音が聞こえる上にバランスも申し分なし!ボディを叩く音もしっかり拾ってくれます。好みはあるかも知れませんが今回はここに決定です。(念のためパテは新しい物へ交換しました)

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余ったケーブルはクリップで固定しておきます。

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そんな感じで作業完了です。
↓この3日後に早速ライブで使っていただきました。ご依頼ありがとうございます。
( *・ω・)*_ _))

「第一水曜日は『いい感じ』、今宵DELSOL cafeで逢いましょうのブルーズ」の巻😊💕 いやぁ、昨夜は最高の夜でございました!特に、8ヶ月以上ぶりにフルメンバーで復活した『前田三丁目ブルーズバンド』の演奏は感動ものでした~♪😭👏👏👏💖 大庭さんご夫妻ならびに演者とお客様に感謝感謝でございます‼️🙇💦

アリマツ ユキハルさんの投稿 2020年11月4日水曜日


littlestone5014 at 17:25|PermalinkComments(0)

2020年11月02日

アストリアス ピックアップ取り付け編・その1。

いつの間にか11月になってました。振り返ると先月は2回しかブログが更新できてなくてびっくりです。
イソガシカッタモンネ ( ;´∀`) (=ω=`; ) ウン
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さてさてまたも久しぶりのブログ更新になってしまいました。今回はこちらのアコースティックギターにピックアップを取り付けます。

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久留米のギター工房アストリアスのECプリウォーです。マーチンの戦前(Pre-War)モデルがモチーフのようです。

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今回取り付けるのはシャッテンのパッシブピックアップDualie-InsideRです。

当初はフィッシュマンのアンダーサドルピエゾをご希望でしたがロングサドルで取り付けが難しいためこちらをおすすめさせていただきました。

シャッテンは1992年創業のカナダのピックアップメーカーです。フィッシュマンやLRバックスに比べますと知名度は低いのですが近年評価の高いメーカーです。国内ではライブラインやSIT弦でお馴染みの㈱TMC様が輸入代理店となっております。詳しくは↑をご参照ください。

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まずはエンドピンジャックの取り付け穴の拡張です。これを12mmまで広げないといけません。

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ひとまず面取りカッターで穴の淵を面取りします。

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そのあとステップドリル(通称タケノコドリル)で少しずつ穴を拡げていきます。このステップドリルは根本が12mmなのでこれが貫通すればOKです。

※2022年6月14日追記・現在はエンドピン部分を一旦埋めてから良く切れる木工用Φ12ドリルで一気に開けています。

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ステップドリルが穴の淵に掛かりそうになったら再び面取りして、またステップドリルの繰り返しです。ここを横着すると塗装や装飾の板が大きく欠ける事があります。(何気に緊張する作業です)

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穴が貫通したらエンドピンジャックの取り付けです。

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サウンドホールから手を入れて表からナットで固定します。通常この作業は外部からワイヤーなどで誘導する必要がありますが腕が奥まで入るので簡単です。

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次にストラップボタンの取り付けです。これは演奏中に緩む事がとても多いのでネジロック剤を少量塗布します。

少なすぎると効果がありませんが多すぎると次に外す事が困難になります。いまだに加減が難しいです。(塗る所をあらかじめパーツクリーナー等で脱脂しておくのも大事)

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塗ったら締め込む訳ですが完全な円形ですので非常につかみにくく力が入りません。

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ゴムやレザーの切れ端でつかむといくらか摩擦が増えて締めやすくなります。傷を入れたくないのでここは出来るだけ工具は使いたくないのが本音です。(次回はピックアップの取り付けです。続く)

littlestone5014 at 18:10|PermalinkComments(0)