2021年03月
2021年03月28日
グレッチ テネシアン カスタマイズ編・その3
3月も終わりに近づくと日中はかなり暖かいですね。すっかり春の気配です。
アッタカクナッタネ ( *・ω・) (>▽<*) ネー

小倉城周辺は桜が満開でしたのでちょっとだけお花見に行ってきました。

暖かくなると精神的にアクティブになってきますね。ブログの更新も早くなります。(笑)
前回からのテネシアンはポットと配線材の交換、それとハイパスコンデンサーを追加しますので一旦内部の電装パーツをすべて引っ張り出します。
fホールはペイントですので部品の出し入れはピックアップの配線穴から行いますが出すだけなら簡単な作業です。(大変なのは入れる時…)

絶縁テープの下からピックアップのコネクターが現れました。そう言えばオールドのグレッチはこれだったなと思い出しました。前職場で何回かリペアした事があります。

ピックアップはマグネットとヨーク板が剥がれていたのでエポキシで再接着します。

とりあえず全部出しました。いつもの事ですが複雑な配線ですね。
前後のボリューム、マスターボリューム、ピックアップセレクター、トーンセレクターにスタンバイスイッチ(キルスイッチ)まであります。グレッチの伝統芸ですが修理屋泣かせの配線でもあります。

ポットデイトを確認すると65年です。交換された様子はありませんのでこのテネシアンもその辺りで生産されたものと思われます。

こちらがオリジナルのピックアップセレクターとトーンセレクターです。
今回は配線が死ぬほどめんどくさいので操作性を向上させるべくマスターボリュームにピックアップセレクターのみのシンプルな配線パターンへ変更します。いわゆるホットロッド配線ですね。
ご依頼主様からのご要望は『オリジナルの状態には拘っていない。弾きやすさ扱いやすさ優先。電装系トラブルを減らしたい。』との事でしたので使わないものは極力省くシンプルな配線をご提案させていただきました。

ジャックとマスターボリュームポット及び配線材は交換しますのでダミーとして残すパーツとそのまま使う部品をすべて外しておきます。

ピックアップセレクターはまだ十分に使えそうでしたのでこちらは接点を洗浄して再利用します。よく見ると端子の並びが変則的です。

こっちから見るとよく分かりますね。ハンダ付けの時に間違わないように注意が必要です。

今回はギブソンなどでお馴染みのブレイデッドワイヤー(金属メッシュの1芯シールド線)で配線します。
外側の金属メッシュ部分はアースに落とすので要所にはヒシチューブを被せて絶縁しておきます。この部分がピックアップの信号が流れているところに触れると問答無用で音が出なくなります。

特に難しい事はありませんが端子の配置が変則的なので配線の取り回しもちょっと変則的です。
シンプルなホットロッド配線とは言えやはりフルアコの電装系は苦労しますので組み込みの時に内部に通しやすいよう配線をコンパクトにまとめる配慮も必要です。

ボリュームポットはCTSの新品に交換です。ハイパスコンデンサーも追加します。

ひとまず電装回りは完成。シンプルな配線は外来ノイズを受ける部分も減りますし余分な物を省く事で音痩せを防ぐ効果もあります。(続く)
アッタカクナッタネ ( *・ω・) (>▽<*) ネー

小倉城周辺は桜が満開でしたのでちょっとだけお花見に行ってきました。

暖かくなると精神的にアクティブになってきますね。ブログの更新も早くなります。(笑)
前回からのテネシアンはポットと配線材の交換、それとハイパスコンデンサーを追加しますので一旦内部の電装パーツをすべて引っ張り出します。
fホールはペイントですので部品の出し入れはピックアップの配線穴から行いますが出すだけなら簡単な作業です。(大変なのは入れる時…)

絶縁テープの下からピックアップのコネクターが現れました。そう言えばオールドのグレッチはこれだったなと思い出しました。前職場で何回かリペアした事があります。

ピックアップはマグネットとヨーク板が剥がれていたのでエポキシで再接着します。

とりあえず全部出しました。いつもの事ですが複雑な配線ですね。
前後のボリューム、マスターボリューム、ピックアップセレクター、トーンセレクターにスタンバイスイッチ(キルスイッチ)まであります。グレッチの伝統芸ですが修理屋泣かせの配線でもあります。

ポットデイトを確認すると65年です。交換された様子はありませんのでこのテネシアンもその辺りで生産されたものと思われます。

こちらがオリジナルのピックアップセレクターとトーンセレクターです。
今回は
ご依頼主様からのご要望は『オリジナルの状態には拘っていない。弾きやすさ扱いやすさ優先。電装系トラブルを減らしたい。』との事でしたので使わないものは極力省くシンプルな配線をご提案させていただきました。

ジャックとマスターボリュームポット及び配線材は交換しますのでダミーとして残すパーツとそのまま使う部品をすべて外しておきます。

ピックアップセレクターはまだ十分に使えそうでしたのでこちらは接点を洗浄して再利用します。よく見ると端子の並びが変則的です。

こっちから見るとよく分かりますね。ハンダ付けの時に間違わないように注意が必要です。

今回はギブソンなどでお馴染みのブレイデッドワイヤー(金属メッシュの1芯シールド線)で配線します。
外側の金属メッシュ部分はアースに落とすので要所にはヒシチューブを被せて絶縁しておきます。この部分がピックアップの信号が流れているところに触れると問答無用で音が出なくなります。

特に難しい事はありませんが端子の配置が変則的なので配線の取り回しもちょっと変則的です。
シンプルなホットロッド配線とは言えやはりフルアコの電装系は苦労しますので組み込みの時に内部に通しやすいよう配線をコンパクトにまとめる配慮も必要です。

ボリュームポットはCTSの新品に交換です。ハイパスコンデンサーも追加します。

ひとまず電装回りは完成。シンプルな配線は外来ノイズを受ける部分も減りますし余分な物を省く事で音痩せを防ぐ効果もあります。(続く)
littlestone5014 at 19:37|Permalink│Comments(0)
2021年03月22日
グレッチ テネシアン カスタマイズ編・その2
福岡県内の飲食店に出ていた営業時間短縮要請は21日で解除になりました。
ライブハウスも昨日からイベントを再開しだして活気が戻ってきましたがまだまだ油断は出来ません。これまでと変わらず手洗いうがいとマスク着用ですね。
.〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) ヨウジンヨウジン
\_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒

さて珍しく前回から間を開けずにブログの更新。
フレットを抜いたテネシアンは指板修正です。歪みやねじれが生じていますので研磨して可能な限りまっすぐにします。

あんまりムキになって削るとポジションマークが無くなったり、フレット溝が浅くなったりしますので必要最低限に留めます。

キレイな縞模様が出てきました。
実は指板に6弦側が順反り1弦側が逆反りのねじれがあったのですがこれはむしろ好都合と言えますのであまり追い込まない事にします。
ピンボケしてますが手前の指板の木口を見ると6弦側と1弦側でかなり厚みが違うのがお分かりかと思います。元からこの状態ですのでもしかしたら製造時からすでにねじれが有ったかも知れません。
テキトー(;・∀・) (-__-;)コンナモンヨ

指板が一段落したのでこんどはブリッジの木製台座の修正です。

これが元々の状態です。スタッドボルトに対して台座の穴が大きすぎるように見えます。

明らかに大きいですね。

スタッドボルトの底面はこんな感じになっていてトレモロ操作時にこれが前後に揺れる事でブリッジがゆらゆらと動くようにしているようです。なるほどよく考えられていますね。

とは言えあまりに不安定です(前後だけでなく左右にも動く)ので現在のようなスタッドボルトを直接台座にネジ込むスタイルへ変更します。

ローズウッドの端材を丸く削り出してエポキシ接着剤で接着します。完全手作業でキレイに丸くするのはなかなか大変です。

硬化したら余分をノミで余分を削り落とします。

ペーパーで表面を整えて…

軽くオレンジオイルで拭いて…

新しいスタッドボルトをネジ込んで(方法は過去のブログのどこかにあると思う)台座はひとまず完成。このままだとスタッドボルトは長すぎなので組み込み時に調整します。(続く)
ライブハウスも昨日からイベントを再開しだして活気が戻ってきましたがまだまだ油断は出来ません。これまでと変わらず手洗いうがいとマスク着用ですね。
.〃∩ ∧_∧
⊂⌒( ・ω・) ヨウジンヨウジン
\_っ⌒/⌒c
⌒ ⌒

さて珍しく前回から間を開けずにブログの更新。
フレットを抜いたテネシアンは指板修正です。歪みやねじれが生じていますので研磨して可能な限りまっすぐにします。

あんまりムキになって削るとポジションマークが無くなったり、フレット溝が浅くなったりしますので必要最低限に留めます。

キレイな縞模様が出てきました。
実は指板に6弦側が順反り1弦側が逆反りのねじれがあったのですがこれはむしろ好都合と言えますのであまり追い込まない事にします。
ピンボケしてますが手前の指板の木口を見ると6弦側と1弦側でかなり厚みが違うのがお分かりかと思います。元からこの状態ですのでもしかしたら製造時からすでにねじれが有ったかも知れません。
テキトー(;・∀・) (-__-;)コンナモンヨ

指板が一段落したのでこんどはブリッジの木製台座の修正です。

これが元々の状態です。スタッドボルトに対して台座の穴が大きすぎるように見えます。

明らかに大きいですね。

スタッドボルトの底面はこんな感じになっていてトレモロ操作時にこれが前後に揺れる事でブリッジがゆらゆらと動くようにしているようです。なるほどよく考えられていますね。

とは言えあまりに不安定です(前後だけでなく左右にも動く)ので現在のようなスタッドボルトを直接台座にネジ込むスタイルへ変更します。

ローズウッドの端材を丸く削り出してエポキシ接着剤で接着します。完全手作業でキレイに丸くするのはなかなか大変です。

硬化したら余分をノミで余分を削り落とします。

ペーパーで表面を整えて…

軽くオレンジオイルで拭いて…

新しいスタッドボルトをネジ込んで(方法は過去のブログのどこかにあると思う)台座はひとまず完成。このままだとスタッドボルトは長すぎなので組み込み時に調整します。(続く)
littlestone5014 at 19:52|Permalink│Comments(0)
2021年03月13日
グレッチ テネシアン カスタマイズ編・その1
前回の更新からまた間が開いてしまいました。ご無沙汰しております。
何とか週一くらいで更新したいと思っていますがこれがなかなかですね…
;( ;•ω•ก) イソガシクテ

と言う事でお待たせ(?)しました。本日のブログはこちらグレッチのテネシアンいわゆるチェットアトキンスモデルですね。おそらく60年代に生産されたと思われるビンテージグレッチです。

ご依頼は多岐に渡るのですがまずフレット交換。かなり摩耗していてぺったんこになっています。(フレットに写る弦の影にご注目ください)

それとペグ交換。あとはコントロール周りの変更、ポットや配線材の交換、ブリッジの修正、ジャックプレートの追加等々です。

ひとまず一番大変なフレット周りから始めます。
ナットがあると0フレットが抜きにくいのであらかじめ外しておきます。一度ネック折れのリペアがされているそうでヘッドとナットの境目に塗料が厚めに乗っています。

折って刃を新しくしたカッターで切れ込みを入れておきます。

フレットセッターで軽く叩くとキレイに取れました。これは再利用します。

それまでのフレットは御覧のようにバインディングの内側に収まっていますがギブソンのようなフレットの端の突起はハイポジションの一部にしか見られません。

ローポジションでは端の突起は無くなっていてフレットの端もかなり摩耗しています。
製造時に削られたのか長年の演奏で摩耗したのかは不明ですがフレットの有効長は当然狭く1弦側は弦落ちしそうでした。(2枚目の画像をもう一度見てね)
これはこれで手触りが良いのですがフレットを抜いた後の指板修正でしっかりバインディングの角を出してフレットをバインディングの上までしっかり乗せる予定です。

とりあえず抜いていきます。ハンダごてで一本ずつ加熱しながらの地味な作業です。
何もしなくてもキレイに抜ける時もありますがこれまでの経験上加熱した方がキレイに抜けるように感じます。(特に冬場の寒い時で尚且つ指板材が古い場合)

伝わった熱でローズウッドのヤニ(と思うけど違うかも)が出てきたらいつもの食い切りで浮かします。熱伝導率を上げるためにフレットには少量のハンダを乗せています。

すべて抜き終わりました。フレット溝のダメージも最小限に抑えられたと思います。
_(-ω-`_)⌒)_ツカレタ…

念の為に低粘度の瞬間接着剤を染み込ませて一晩しっかり硬化させたら指板修正です。(当分続きます)
何とか週一くらいで更新したいと思っていますがこれがなかなかですね…
;( ;•ω•ก) イソガシクテ

と言う事でお待たせ(?)しました。本日のブログはこちらグレッチのテネシアンいわゆるチェットアトキンスモデルですね。おそらく60年代に生産されたと思われるビンテージグレッチです。

ご依頼は多岐に渡るのですがまずフレット交換。かなり摩耗していてぺったんこになっています。(フレットに写る弦の影にご注目ください)

それとペグ交換。あとはコントロール周りの変更、ポットや配線材の交換、ブリッジの修正、ジャックプレートの追加等々です。

ひとまず一番大変なフレット周りから始めます。
ナットがあると0フレットが抜きにくいのであらかじめ外しておきます。一度ネック折れのリペアがされているそうでヘッドとナットの境目に塗料が厚めに乗っています。

折って刃を新しくしたカッターで切れ込みを入れておきます。

フレットセッターで軽く叩くとキレイに取れました。これは再利用します。

それまでのフレットは御覧のようにバインディングの内側に収まっていますがギブソンのようなフレットの端の突起はハイポジションの一部にしか見られません。

ローポジションでは端の突起は無くなっていてフレットの端もかなり摩耗しています。
製造時に削られたのか長年の演奏で摩耗したのかは不明ですがフレットの有効長は当然狭く1弦側は弦落ちしそうでした。(2枚目の画像をもう一度見てね)
これはこれで手触りが良いのですがフレットを抜いた後の指板修正でしっかりバインディングの角を出してフレットをバインディングの上までしっかり乗せる予定です。

とりあえず抜いていきます。ハンダごてで一本ずつ加熱しながらの地味な作業です。
何もしなくてもキレイに抜ける時もありますがこれまでの経験上加熱した方がキレイに抜けるように感じます。(特に冬場の寒い時で尚且つ指板材が古い場合)

伝わった熱でローズウッドのヤニ(と思うけど違うかも)が出てきたらいつもの食い切りで浮かします。熱伝導率を上げるためにフレットには少量のハンダを乗せています。

すべて抜き終わりました。フレット溝のダメージも最小限に抑えられたと思います。
_(-ω-`_)⌒)_ツカレタ…

念の為に低粘度の瞬間接着剤を染み込ませて一晩しっかり硬化させたら指板修正です。(当分続きます)
littlestone5014 at 20:02|Permalink│Comments(0)










