2021年07月

2021年07月21日

ギブソン SG カスタマイズ編・その2

さて電装回りが終わったSGは次の作業、ピックガードの制作です。
板を切って削るだけの事ですが皆さんが想像する以上に手間の掛かる作業です。
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今回は着せ替えピックガードを2枚制作します。元々の黒ピックガードと合わせて都合3枚になります。3PUになったおかげで形状がシンプルになりましたので切り出すのは簡単です。

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まずは白3プライのピックガードを1枚制作。外周を面取りして真ん中に挟まれた黒のラインを均一に出すのは結構難しいです。

どうやって作ってるかはこちらをどうぞ。めちゃくちゃアナログな手法です。


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続いてミラーピックガードも制作。ミラーはアクリル材ですので割れやすく傷も入りやすいので極度の緊張感の中での作業になります。
;((φ(´◦ω◦`):ワレナイヨウニ…

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着せ替えピックガードの難しいのはボディ側のネジ穴に対して新しく作るピックガードのネジ穴をぴったり一致させないといけない所です。特にミラーピックガードのアクリル材は加工性が良いとは言えないので毎度往生します。(皿穴加工に苦労の跡が見えますが取り付ければネジの頭で隠せます)

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続いてビグスビーの取り付けです。こちらもご依頼主様のこだわりでB7を取り付けます。

通常はSGですとB5ですが今回はペグをクルーソンタイプからロトマチックタイプに交換しますのでよりテールヘビーにする為(ただでさえヘッド落ちしやすいSGが更に落ちやすくなるから)と見た目の派手さでB7のチョイスです。

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今回はB7用のビブラメイト(V7)を用意しましたのでボディ上面への取り付けは簡単です。しかし…

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SGにB7を取り付けようとすると問題になるのがこのヒンジ部分。どうやってもボディに大きく干渉します。干渉する部分を大きく削り取るという荒技もありますがそれは見た目が美しくありません。

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色々検索して調べてみると一旦ヒンジピンを打ち抜いてヒンジの向きを入れ替えればちょうど良いようです。

ふむふむ、なるほどね~という事で叩いて抜いてみました。(どうやったかは並んでる道具から想像してみてください)

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ひっくり返してまたヒンジピンを元通り通したらひとまず第一関門突破です。(続く)


littlestone5014 at 20:55|PermalinkComments(0)

2021年07月11日

ギブソン SG カスタマイズ編・その1

エレキギターは見た目がとても大事な楽器ですね。特にロックの分野においてはステージで映えるカッコいいギターは観客を魅了しますしギタリストも演奏のテンションが上がるというものです。
ソウナノ?(;・∀・) (・`ω´・ ○) ソウヨー!!
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という事で今回はそんなギタリストからカスタマイズのご依頼です。このごくごく普通の見た目のSGにですね…

・ビグスビーをインストール
・センターPU追加
・それに伴う配線パターンの変更
・ペグ交換
・ピックガード交換

…を施します。文字だけで見ると特別な感じはしませんが「ありそうでどこにも売っていない」世界でただ一本のSGに仕上げます。

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まずはセンターPUを収めるザグりを追加します。トリマーで掘りますので周辺のパーツはすべて取り外します。

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さくっと完了。トリマー作業中は手が離せないので途中の画像はありません。(途中テンプレートがズレて6弦側に寄ってしまいましたがギリOK)

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ノイズ対策に導電塗料を塗って各PUを取り付けていきます。

今回センターPUに搭載するのはディマジオのEJカスタムです。元のPU(57クラシック)の抵抗値から今回はリヤ用をチョイスしました。前後がクロームカバーですのでこのPUも同じようにクロームカバーが欲しかったのですがそれはディマジオのラインナップに(たぶん)ありません。

仕方ないので別途クロームカバーを取り寄せて被せる事にしました。ディマジオはポールピースのピッチが特殊で市販のカバーがぴったり一致しないので少し加工してやや強引に取り付けています。

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PUを載せたら配線です。3PUの時はトグルスイッチをそれ用の物に交換するのが一般的ですが今回のご依頼で重要だったのが『センター単独の音が出したい』という所でした。

ご存知の方も多いと思いますが3PUのSGやレスポールはトグルスイッチのセンターポジションでセンター+リヤが出力されます。意外にもセンターPUのみを出力する事が出来ません。さてどうしましょうかとご依頼主様と何度も協議していくつかの案が出てきました。

1・スイッチポットを使ってセンターPUを直接出力させる。←SGの浅いザグりにスイッチポットが入らない。

2・ではコントロール付近に別途スイッチを付けるのはどうか。←ノブが密集している狭いスペースに付けるのは操作性も見た目もいまいち。

3・トーンを片方つぶしてロータリースイッチにする。←瞬時に欲しいポジションにするのは難しい。

4・トグルスイッチを6wayに交換する。←これも瞬時の切り替えは難しそう。

   
6wayのトグルスイッチってなに?という方はこちらをクリック。

ネット上では最近ちらほら目にしますね。まだ現物を触った事が無いのでスイッチの操作感や耐久性は不明ですが興味深いスイッチです。


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さてさてどうしたものかと悩んでおりましたがある日ふとバランサーポットが閃きました。ベースのコントロールでお馴染みの1軸2連ポットです。

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こうしたら良いのではと思ったのです。

バランサーポットを右に回し切ると通常のSG配線、そこから徐々に左に回していくとセンターがミックスされ、ちょうど半分の所で3つのPUの出力が均等になります。ここでトグルスイッチを切り替えればフロント+センターやセンター+リヤといった配線にも出来ます。

バランサーを左に回し切るとセンターのみの出力です。センターPU個別のボリュームコントロールは出来ませんがこれが最も操作性が良さそうとの事でGOサインが出ました。


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という事で実際に配線したものがこちら。

フロントのトーンがあった所にバランサー、リヤのトーンをマスタートーンにしています。コンデンサーもオレンジドロップに交換しました。

※配線図は「ジャズベース バランサー配線」とかでGoogle先生に聞いてください。

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各PUを配線して電装回りは完了です。こちらもキャビティ内に導電塗料を塗ってコンパネの裏にはアルミテープを貼って完全にシールドします。(続く)


littlestone5014 at 19:29|PermalinkComments(0)