2022年01月

2022年01月31日

ギブソン SG メンテナンス編・その2

前回ナットを外したSGはフレットのすり合わせ作業に入ります。個人的にナット交換は非常に神経を使うので最後にしています。(ナットを仕上げた後はもう仕事したくないから)
_(-ω-`_)⌒)_ツカレル
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という事でフレットのすり合わせです。

当初はフレット交換をお考えのようでしたが見てみると摩耗が少なくまだまだ十分に使える高さが残っていたので今回はすり合わせで、交換はもう少し摩耗が進んでからにしましょうとなりました。

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全体のポジションを万遍なく使うプレイヤーですので一部が極端に摩耗しているという事が無かったので少しの研磨で高さが揃いました。しっかり整形して山を出します。(画像は整形、研磨後のピカピカの状態)

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次は電装回りです。フロントPUがかなりプラプラの状態でしたのでスプリングを2重にしています。

ピックガードマウントのSGのフロントPUは構造上かなり下げる事になるのですが当然スプリングにテンションが掛かりにくいです。テンションの強いスプリングもあまり見かけませんし、あったとしても取り付けに往生しますので2重にしてテンションを稼ぎます。

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こちら側も。つまり1つのPUに都合4本のスプリングを使用している事になります。爆音でその上激しく歪ませるメタルバンドの方なのでPUはしっかり固定しておきます。(スプリングの代わりにシリコンチューブを使う事もあります)

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ふとリヤPUを見るとダンカンのTB-6に換装されていました。通常ギブソン系ですとSH-6ですが何か意図があっての事と思います。
(・0・。)ホホー

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そのリヤPUはエスカッションを新調します。高さは現物合わせで削って調整しています。コイル部分をぐるっと囲ってあげれば断線のトラブル(うっかりピックを引っ掛けるなど)も防げます。

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フロントトーンのコンデンサーはそれまでは223(0.022μf)から333(0.033μf)へ交換します。簡単に言えばこの数値が大きいほどトーンはよく効きます。

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ちょっと不安だったリヤPUの配線もついでに修正しておきます。アース側の線は出来るだけホット側から遠ざけておくのもトラブル回避に役立ちます。(続く)


littlestone5014 at 18:37|PermalinkComments(0)

2022年01月23日

ギブソン SG メンテナンス編・その1

遅くなりましたががあけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

…ってもう1月も下旬ですね。いやはやブログの更新が前回から一ヶ月以上経過してます。新年早々から忙しくて全然更新できませんでした。
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作業の合間を見て久しぶりに更新。今回はこちらのSGです。

ご依頼はナット交換、ペグ交換、フレットすり合わせ、その他あれこれ。ライブの現場で長期間酷使された楽器ですのでしっかりとメンテナンスします。

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リヤピックアップが交換されているのですがエスカッションが低すぎていまいち心許ないのでこちらも交換。錆びついてしまったネジ類も良い機会ですので新品に交換します。

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フロントトーンのコンデンサーも交換します。効きをもう少し強くしたいとの事ですので数値を大きい物に交換。それと併せてジャックも交換して配線の取り回しも修正します。

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まずはナットからです。他の作業の先にとりあえず外しておきます。

通常は当て木を置いてハンマーで軽く叩けば外せるのですが今回はいくら叩いてもどうにも外れません。ギブソンあるあるですがナットが異常に強く接着されている個体に結構な割合で遭遇します。

こういう時は無理に叩くのは禁物です。薄刃のノコギリで切って割る方法で外します。(←専門学校のリペア実習で教わります)

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じわじわと底面ギリギリまでノコを入れます。うっかりネック側まで切らないように細心の注意で切っていきます。

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こっち側も。
;((φ(´◦ω◦`) キンチョー

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あとはクイキリで隙間を潰すようにして挟んであげれば外せます。今回はナット底面の接着剤が少ないか使われていなかったのでキレイに外せました。

なんとも乱暴に見えますがこれが一番ギターへのダメージが少ないです。無事に外せてまずは一安心。(続く)


littlestone5014 at 13:41|PermalinkComments(0)