2022年03月

2022年03月26日

ジャズマスター カスタマイズ編・その3

気付くと3月も下旬。桜の花も咲き始めてすっかり春の陽気ですね。
゚+:。...*:(*´∀`*):*・゜゚・* アッタカイネー
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さて電装回りが終わったジャズマスターですが弦を張ってみました。

3弦4弦にはテンションピンがないのでその対策としてポストへの巻き数を多くしています。いくらかでもナットへのテンションが稼げます。(なにしろ四音半下げ)

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ナット溝を切り直したのがこちら。それまではナットの溝に収まらず上に乗っているだけでしたので弦高が高くて特に5弦6弦はかなりフレット音痴でした。とりあえずこれで音出ししてチェックします。

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フロントピックアップはちょうど良い感じでしたがメインで使うリヤピックアップはやや高域が出過ぎな感じでしたのでボリュームポットを元々の1MΩから500KΩに変更します。

ひとまずこれで使っていただいて、状況によってはポットの種類やスムーステーパーを変更するかも知れません。

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再び弦を張って弦高やオクターブチューニングを調整します。

マスタリーブリッジに交換されているのですが今回は3弦が巻弦になるので正確には合いません。チューナーも見ながら聴感上違和感のない範囲に収まるようサドルの位置を調整します。

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ポールピースのセンターからやや弦が外れていますがアンプからの出音には大きな影響はありませんでした。(インベーダーにはシニスター・ゲイツのシグネチュアモデル以外にトレムバッカーが無いのです)

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という感じで作業完了です。ノイズもかなり抑えられてインベーダーのパワーも申し分ありません。羊の皮を被った狼的なギターになったと思います。ご依頼ありがとうございました。
((。´・ω・)。´_ _))

littlestone5014 at 19:27|PermalinkComments(0)

2022年03月13日

ジャズマスター カスタマイズ編・その2

3月も中旬となると日中は暖かく感じますね。桜もそろそろ咲きそうでお花見が楽しみです。
゚・:*Ψ:*:・゚(*´・ω・)/🍻\(・ω・`*)゚・:*Ψ:*: カンパーイ
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さてさてジャズマスターですが次はフロントピックアップのシールド処理です。構造上ノイズが入りやすいのでしっかりとシールドします。

以前から言ってますがシールド処理はノイズが減らせる反面高域成分も減ってしまうのが欠点です。どれぐらい減るかというのはなかなか言葉で説明が難しくて感じ方も人それぞれですが歪ませて大音量で演奏される方たちからは「ノイズのストレスから解放されるなら多少は構わない」という声が多いように思います。

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銅箔テープでピックアップの側面と上面をシールドします。銅箔テープ同士が導通するように繋ぎ目はごく少量のハンダで止めておきます。

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ポールピースもさっきの銅箔テープを裏まで回して一緒にアースへ。黒いのは導電塗料でこれでポールピースと銅箔テープを導通させています。

テスターでポールピースとコイルがショートしていないか確認して、もしショートしているポールピースがあればそれはアースへ落とせませんが今回は運良くすべて絶縁されていたので全部アースへ落とします。(1弦と6弦のポールピースはショートしてる事が多いです)

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プリセットスイッチをキャンセルしたのでシンプルな配線になりました。ボリュームにはスムーステーパーのためのコンデンサーと抵抗を追加しています。少し触っただけで大きくボリュームが下がるのにお困りのご様子でした。

ボディ内部には導電塗料が塗られていましたが上手くアースへ落ちていなかったので別途ラグ板とリード線を使ってアースへ繋ぎます。(フロントピックアップのすぐ後ろ)

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弦アースの線もブリッジに接触していなかったのでテープで固定しておきます。これもノイズが大きかった原因の一つと思われます。

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では弦を張ってみます。四音半下げチューニングに対応できるギター用のセット弦は無いので6弦にベース用の75を張って、5~1弦には1052セットの中の6~2弦というご指定です。(続く)

littlestone5014 at 18:50|PermalinkComments(0)

2022年03月05日

ジャズマスター カスタマイズ編・その1

音楽のジャンルは様々です。それを演奏するギターもまた様々。どんなギターでどんな音楽を演奏しようとそれはプレイヤーの自由です。

とは言うものの特定のジャンルにおいては向いていないと思われるギターもあります。
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しかしそこを何とかして使いたいというプレイヤーも少なからずいらっしゃるものです。今回はそんなジャズマスター。

名前の通り本来はジャズ用に作られたギターですがこれをメタルコアやグラインドコアなどのエクストリームなジャンルに使えるようにカスタマイズしていきます。

ダウンチューニングで激しく歪ませて演奏するには全然向いていないギターですがそこに敢えて挑むのはロマンに溢れています。技術者としても挑戦のしがいがあるというものです。

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6弦にはベースの2弦より太いゲージが張られていました。チューニングはドロップG#(四音半下げ)です。

ご依頼主様ご自身でブリッジ周りに手を入れられて太いゲージの弦でのダウンチューニングに対応されていますがナットの弦溝が工場出荷時のままでしたので溝に収まっていません。

このままですと弦溝から割れる事もありますしピッチも合いにくいのでゲージに合わせて溝の修正も行います。

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ひとまずリヤピックアップの交換から。とにもかくにもノーマルのピックアップではパワー不足ですし、歪ませると発生するノイズもかなりのものです。

やはりハムバッカーが最適であろうという事で今回交換するのはお持ち込みのセイモアダンカンSH-8、通称インベーダー。いかつい見た目通りのハイパワーピックアップです。

弦ピッチに対してポールピースのピッチがやや狭いですがポールピースが巨大なのでほとんど問題にならないと思います。

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フロントピックアップは使うことが少ないという事で交換しませんがノイズシールドを施します。プリセットスイッチもほとんど使わないとの事ですので省略して配線の取り回しも変更します。

使わない物は繋がないのが音痩せも防げますしノイズが入り込む経路も最小に出来ます。ジャズマスターのように配線の取り回しが長いギターでは特に有効です。

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さてジャズマスターに普通のハムバッカーを搭載する時に困るのがエスカッションです。

ジャズマスターにハムを載せる為のエスカッションなんて物は存在しない(と思う)のでどうしようかと悩んでいたのですがご依頼主様から「ノーマルのピックアップカバーを加工して載せる事が出来るらしいです」とお聞きしました。お!なるほどその手がありましたか!

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という事でいつもの超原始的な方法でくり抜きます。(ミニ四駆の肉抜き)

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収まりました。ぴったりサイズですね。

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ピックアップを吊るすスプリングはシリコンチューブに変更しました。ピックアップの高さ調整はこのネジでは行いませんのでシリコンチューブの方がよりソリッドに固定できてスプリングの共振も無くせるので好都合です。

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ピックアップキャビティは足が入るところだけザグりました。画像はありませんがザグった部分には導電塗料を塗り足しています。

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導電塗料が乾いたら取り付け。

ノーマルだとピックアップ下に厚手のスポンジを敷いてそれを高さ調整用のスプリングの代わりにするのですが今回はエスカッションとピックアップの間にシリコンチューブが入っていますので細かい高さ調整が困難です。(スポンジとシリコンチューブの弾力が互いに干渉し合うから)

そこで今回はエスカッションを固定する4本のビスにそれぞれスプリングを入れる事にしました。しっかり固定出来て、高さや前後左右の傾きの調整も容易です。ピックアップからは幾分距離もありますので共振の影響も少ないと思われます。(続く)


littlestone5014 at 19:10|PermalinkComments(0)