2022年04月

2022年04月19日

ゴダン セッションカスタム59 カスタマイズ編・その2

前回のブログは想像以上に反響が大きくアクセス数が上昇していて驚いています。手の込んだ難しそうな作業の時は皆様のご興味を引くようです。
  ( ๑°⌓°) ヘー
 _(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
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という事で普段より早めに更新です。まずはトレモロブロックが通る部分をザグります。

取り付けの解説動画では最初に黄色の矢印の所をドリルで裏側まで貫通させていました。ひっくり返して裏側をザグる時の位置決めのガイドになるようです。

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今回のギターの場合は弦が裏通しなのでそのための穴がボディを貫通しています。工場で正確に垂直に開けられていると思われますし、丁度良くザグる部分にあるのでこれを使わない手はありません。

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という事で穴は開けずに上側をザグります。深さはおおよそ1/2インチとなってましたので約12mm掘りました。

動画内のトリマーガイドは当方のトリマーでは使えないのでいつもの方法でザグってますが矢印の所だけ適当なアクリルの端材を三角に切って当てています。大丈夫と思うのですがもしかするとブリッジからザグりが見えてしまうかも知れません。

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ひっくり返して今度は裏側のザグり。

あらかじめ穴の場所を移していたテンプレートを貼り付けて位置の確認です。理論上はこれで表側ときれいに繋がるはず…

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ドキドキしながら切削するとほぼ同じ位置で繋がりました。まずは第一関門をクリアして一安心です。(さらっとやってますが位置決めにはかなりの時間を掛けています)
ε-(´∀`*)ヨカッター

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続いてスプリングキャビティ部のザグり。さっきのテンプレートを再度貼り付けて位置決めです。

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トリマーに掛かる負担を減らせるようにあらかじめドリルで穴をたくさん開けておきます。(これは専門学校で習います)

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出来ました。深さは5/8インチとありましたので約15~16mm切削しました。

ボディ材はポプラのようで比較的柔らかくて加工性は良好ですがそれでもΦ6のビットでこれだけの面積を切削するのはまぁ~時間が掛かります。
ルーターツカエバ (๑・ิω・ิ)ノ  (⊡ㅂ⊡。) モッテナイ

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次はコントロールキャビティ内をザグります。

もともとアクティブのブースターが搭載されていて電池を納めるスペースがあるのですが今回はコントロールキャビティ内にかなり場所を取る「ある物」を仕込みます。

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こちらもあちこち切削してそれを仕込むスペースを稼ぎます。当然ここには電池を入れる事が出来なくなりますので他へ電池ボックスを増設します。

ちなみに切削に使うトリマーは音がとてもうるさいので平日の昼間しか回せません。お店が入ってるマンションは一般の方もお住まいなので土日、祝日は大きな音が出る電動工具は回さないようにしています。(平日でも18時以降は回しません)

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次は電池ボックスを納める部分のザグり。GOTOHの定番電池ボックスBB-04を仕込みます。(続く)


littlestone5014 at 18:58|PermalinkComments(0)

2022年04月10日

ゴダン セッションカスタム59 カスタマイズ編・その1

ギターのカスタマイズ用のパーツは本当にありとあらゆる物がたくさんリリースされています。ボルトオンで簡単に取り付けや交換が可能な物もありますが、中には大きな加工を施さないと取り付けが出来ない物も少なからず存在します。
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そんな場合は我々リペアショップの出番です。今回はこちらのギターの魔改造の様子をお伝えしようと思います。

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カナダのギターメーカー、ゴダンのテレキャスタイプ。正式にはセッションカスタム59というモデル名です。

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今回は電装回りにも手を入れるので内部のパーツをすべて取り出しておきます。(何をするかはその都度解説します)

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魔改造その1はスーパービーのマーベリックの取り付けです。最近MIYABIさんのギターに搭載された事で知名度が上がってきたトレモロユニットですね。


取り付けには大掛かりな木工作業を伴います。何しろテレキャスにストラトと同じザグリを入れないといけないので大変です。詳しくはこちらの動画を見てください。

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なかなか大変そうなのがお分かりいただけたでしょうか?とりあえずメーカーサイトから実寸のテンプレート(紙型)をプリントアウトしました。

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動画の説明に従いひとまずボディにセンターラインを引きます。方法が動画と違いますがセンターが分かればなんでもいいです。(ネック側面の両側から延長線を引いてその中間がセンター)

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動画ではスプリングキャビティの前端をネックポケットのエンドに合わせるとなってました。なるほどなるほど。
((_(。_。*)フムフム

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再びネックを取り付けてサステインブロックを抜いたユニットを規定の位置に載せてみます。

ここでスケールが正しいか確認です。もしブリッジの取り付け位置がおかしいと楽器として機能しません。

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0フレット(つまりナットの後端)から12フレットの距離を計測すると約324mm。ごく一般的なロングスケールです。

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…で12フレットから1弦のサドルまでを計測すると約320mm。理論上のスケールに4mm足りません。

サドルはまだ後ろに移動できますがオクターブチューニングの事を考えると全体をあと5mmくらい後ろに取り付けないと5~6弦サドルは弦が通る穴を完全に塞いでしまいます。
(。-`ω-ก)コマッタネ…

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という事で5mm後方へ移動。ここを基準に各部をザグっていきます。(続く)


littlestone5014 at 18:37|PermalinkComments(2)