2022年07月

2022年07月25日

ストラトYJM仕様 オーバーホール&カスタマイズ編・その2

ヤングギターはイングヴェイが表紙の時は売り上げが伸びるそうですが、このブログも前回の記事がイングヴェイ効果なのかアクセス数が急上昇!イングヴェイ人気の高さを改めて実感しています。うむ、さすが貴族。正確には伯爵。
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さて今回から実際の作業の様子をお届けします。まずは電装系から。

お持ち込みになられたアメスペのピックガードアッセンブリーを眺めるとトーンのコンデンサー配置が特徴的です。調べてみるとGreasebucket Tone Circuit(グレイスバッカートーンサーキットと読むのかな?)という回路のようです。

※2022年7月25日追記・グレース(グリース)バケットトーンサーキットだそうです。某ネジの人から情報をお寄せいただきました。ありがとうございます。
(* > <)⁾⁾*_ _)


高域だけでなく低域も落とす仕組みのようでポットの1番端子からアースへ向かっているコンデンサーには収縮チューブの中に抵抗も入っています。

また一般的なストラトと違ってフロントとリヤに効くようになっていてセンターには効かないようになっているのも興味深いところです。通常はフロントとセンターに効くようになっていてリヤには効かないように配線されています。

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とりあえずピックアップを外します。今回はリヤにトーンを効かせたくないのでトーンの配線も変更します。(トーンはフルに上げていても僅かにコンデンサーの影響を受けます)

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出来ました。通常ダンカンのピックアップは緑の線がコールド、黒の線がホットと指定されていますがそれだとセンターのテキサススペシャルと逆位相になるので反対にしています。

いつもはピックアップのリード線は長めに残すのですがストラトはリード線を納めるスペースが狭いので今回は短めに詰めています。

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ピックアップとピックガードの間に挟むゴムチューブは標準の生ゴム製からシリコン製に変更しています。

生ゴムのも悪くないのですが劣化が早いので耐久性を考慮してシリコンにしています。茶色いのがそれまで使われていたゴムチューブですが弾力を失ってその役目を終えています。

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ピックガードを交換する時はだいたいネジ穴が一致しないのですべて塞いで、あとで現物合わせで新規にネジ穴を開け直します。

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8点止めピックガード仕様のボディに11点止めのピックガードを付けようとするとここのネジ穴が確保できないので当て木を接着します。(接着面の塗装を剥いでエポキシでくっつけてます)

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ノイズ対策として導電塗料も塗っておきます。

FURYは縦2層のハムバッキング構造なのでノイズには強いのですがセンターのテキサススペシャルが純粋なシングルなのでその対策です。

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乾いたらスプリングハンガーからの弦アース線を利用してグランドへ落とします。

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フロントトーンはアメスペの仕様そのままにしていますがセンタートーン(元リヤトーン)はレトロスペックのセラミックコンデンサーを利用したごく普通のトーン回路に変更しています。

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ジャックは定番中の定番スイッチクラフト#11に交換しました。

ポットからの配線にはシールド線を使っていますがこちらもノイズ対策の一環です。イングヴェイばりに歪ませて弾く方なのでノイズ対策は必須です。

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ジャックキャビティに塗った導電塗料はこうやってグランドに落としてます。アースラグを曲げた物をネジ止めしてここをジャックプレートに接触させるという方法です。

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組み込みの終わったピックガードを載せてネジ穴を開けていきますが、これがなかなか狙った所に開けるのは難しく毎度苦労します。(ピックガード交換あるある)

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さっきの当て木をした所はこうですね。これでしっかり固定できます。(続く)


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2022年07月16日

ストラトYJM仕様 オーバーホール&カスタマイズ編・その1

80年代後期から90年代中期にかけてドンズバモデルと言うのがギター雑誌の広告を賑わせておりました。特定のギタリストが使っているギターの仕様に可能な限り寄せたギターが各社から発売されていたのです。(遠い目)

フェンダージャパンからは黒ボディにレースセンサーを載せたブラッキー風クラプトン仕様、白ボディ&黒パーツにスキャロップのリッチー仕様、赤ボディに黒ネックとフロイドローズを組み合わせたブラッド・ギルス仕様などが発売されていた記憶があります。

シグネチュアモデルでは無いのでどこにもサインは入っていませんが人気は高かったようで結構な数が売れたようです。
アッタネ ( ๑•ㅂ•) (≧▽≦*) アッタアッタ!
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今回はそんな時期に発売されていたイングヴェイ仕様のキャンディアップルレッドのストラトです。

イングヴェイのストラトと言うとダックがまず頭に浮かびますがこちらも強く印象に残るギターです。時期的にトリロジー~ライブ・イン・レニングラード~エクリプス期に使われていた物を再現しているものと思われます。

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指板も本人の仕様に基づきスキャロップ加工が施されています。30年近く酷使されてフレットが限界ですので交換します。

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イングヴェイ本人のギターは56年製のネックを自分でスキャロップして、フェンダージャパンのボディに取り付けた物と言うのが通説のようです。

自分でちょこちょこ組み換える人なので仕様もしょっちゅう変わりますがファイヤー&アイスの時期くらいまではこの組み合わせでよく使っていたような気がします。
 j∬ -●3●) ハッハー!

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トレモロスプリングも交換予定です。何にしようかな?

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ピックガードも交換します。

50年代の仕様に準じて1プライ8点止めですがここはイングヴェイ本人に合わせて60年代の3プライ11点止めに交換します。

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ノーマルの電装系は使いませんのでこのままご返却です。

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ジャックは錆を落とせばまだ使えそうですが信頼性向上のために新品に交換します。

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ブリッジは錆を落として組み直します。ここも音に大きく影響する部分です。

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こちらはご依頼主様がお持ち込みになったアメリカンスペシャルのストラトに搭載されていたピックガードアッセンブリー。

管理タグに印刷されている文字からテキサススペシャルが搭載されているようです。都合よく3プライの11点止めなので今回はこちらを組み込みますがピックアップは交換します。

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センターはテキサススペシャルをそのまま使いますが前後はセイモアダンカンのYJM FURYに換装します。

それまでずっとディマジオだったイングヴェイが突然セイモアダンカンに乗り換えて当時それはそれは話題になったピックアップです。(続く)


littlestone5014 at 19:09|PermalinkComments(0)