今更ですが明けましておめでとうございます。新年最初のブログです。

お正月ムードもとっくに過ぎ去って前回の更新からぼちぼち一ヵ月が経過しようとしています。もう少し早く更新しようかと思っていたのですが1月も大変（何がなんだかよく分からないレベルで）忙しくて気付くともうすぐ2月です。
_(┐ ﾉ´ཀ`)_ ｲｿｶﾞｼｽｷﾞﾙ

さてさて今回のブログはこちらのバッカスのテレマスターです。

テレキャスターの電装パーツをジャズマスターボディに搭載してるのでテレマスターと呼ばれますがバッカスの正式名はウィンディです。(厳密にはコントロール部分が異なるのでテレマスターとも違うのですが便宜上そう呼びます)

ご依頼の内容は多岐に渡るのですがおおよそ以下の通りです。

・フレット交換
・指板ラディアス変更
・ナット交換
・ピックガード新規制作
・PU含め電装パーツ全交換
・PUセレクターをトグルスイッチからレバースイッチへ変更。
・その他あれこれ

文字にするとシンプルですがなかなか手間の掛かる作業内容です。気が引き締まりますね。



ネック材は近年流行りのローステッドメイプルです。ローステッドメイプルについてはバッカスのHPでこのように説明されております。

『ローステッドメイプルとはメイプルを高温で加熱処理して材の中の水分や油分を揮発させることにより剛性を高めた材。ネックに使用されるとその効果は安定性だけでなくサウンドにも及び、豊かな生鳴りと経年変化したビンテージのようなこなれたトーンを生み出します。』

…ふむふむなるほど。ネック材としては理想的な素材です。



しかし材質はかなり脆くなっています。剛性は上がっているようですが柔軟性が失われていて、フェンダー系の段差付きヘッドでは起こりにくいネック折れヘッド折れも目にする事が増えてきました。（ネジ穴も駄目になりやすくて締結トルクには気を遣います）



まずは難関となるであろうフレット交換から。

実はローステッドメイプルのフレット交換は今回が初めてです。ハンダごてで熱を入れながらいつも以上に慎重に抜いていきます。（熱を入れるとメイプルシロップの美味しそうな匂いがします）



予想していましたがやはり非常に脆いです。

かなり慎重に抜いていったのですがそれでもポロポロと欠けていきます。（欠けた破片はその都度瞬間接着剤でくっつけます）

途中ハンダごてでの加熱をせずに抜いてみましたが状況はさほど変わらずでした。エボニーも脆い素材ですがそれとも違う脆さです。



後半で少しコツをつかんだのですが一般的なメイプルとは完全に別の素材と考えた方が良さそうです。（続く）